
喘息と気道の炎症について解説をしています。これはこれで、喘息をコントロールするために必要な考え方です。
最も上手なつきあい方紹介 2
喘息は「気道の炎症」であるがゆえに、気管や気管支の病気だけだと極論される傾向にあります。確かにそれだけの人もいます。しかし気道にアレルギー反応が起こっている人の場合、アレルギー性鼻炎を合併して、鼻にも好酸球の炎症が起こっている人が沢山おられます。
中には私の外来へ通院中で喘息だけのように見えていた人が、大変厳しい仕事に頑張りすぎて、①喘息の悪化②肺に好酸球性肺炎③手足顔面に皮膚病変の出現④手足のしびれ・神経症状の出現で、お母様と共に来院された人がいました。城北診療所の皮膚科にも受診して頂き、直ちにアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した人でした。そういう人ですから、仕事を休むように話しをしましたけれども、今までどおり頑張り続けると言うのです。
診断書を出して、色々話しをして休んで通院して戴くことにしました。初期のステロイド大量投与、初期の診断と治療、安静を中心とした生活で、3カ月間でステロイドを抜き、肺病変は勿論、喘息も軽快安定し、神経症状や皮膚症状もほぼ全快し、制限付きながら、職場に復帰されました。この病気で全く薬が必要なくなった人も私の外来には、何人もおられますけれども、この人の回復はまだ先を見なければなりませんが、最速改善記録でした。
より早い診断と治療、全身管理や指導が必要な喘息の人もいるのです。今はそういう病気を発病していない、やがては発病するかもしれないという喘息の人がいるとすれば、気管支だけの病変に目を奪われることなく、全身の好酸球の炎症を考えながら、治療することも必要ではないでしょうか。そのような観点で、わかばは編集されておりますし、第8回成人喘息ゼミナールが開催されます。
「自分は大丈夫だ」ということで、いつまでも続けば良いですけれども、そう思っていた人が、上記のようになる場合もあるのです。転ばぬ先の杖・知識、早期のよりよい治療・交流は必要なことではないでしょうか。
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社会保障をよくし、今の日本の世の中をよくすることも必要です。
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